Raspberry Pi Zeroの筐体を設計する(3Dプリンター)
はじめに
今回はRaspberry Pi Zeroの筐体を、3Dプリンターで作ってみました。
冬になって部屋が寒くなってきた影響か、ABSフィラメントで出力するとプレートから剥がれたり、反るようになってきて苦戦しています。換気なんてすると、まともに出力できません。エンクロージャーを買おうか悩むところですね。
▼3DプリンターはPrusa MK4を使っています。
▼大阪にはデジもく会という、電子工作や組み込み系に詳しい方々の集まりがあります。3Dプリンターについて詳しい方もいらっしゃるので、いろいろ聞いています。
https://dezimoku.connpass.com/
▼Open Creation Lab.さんにも教えてもらっています。
https://www.instagram.com/opencreationlab/?hl=ja
Fusion360で設計する
▼Raspberry Pi Zero 2 WのデータはGrabCADからダウンロードしました。Zeroとほとんど変わらないと思います。
https://grabcad.com/library/raspberry-pi-zero-2-w-1
SDカード、mini HDMI、USB micro-B、カメラ用の端子を差せるようにしています。また、側面からはL字のピンヘッダを出せるようにしました。
一応ファンも取り付けできるようにしてみましたが、放熱設計については詳しくないです。トランジスタ技術で少し読んだ程度ですが、風の流れ道を意識するべきだそうですね。放熱するならヒートシンクを取り付けるほうがお勧めとも聞きました。
▼差し込み口がコネクタに干渉しないように調整しています。
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▼Raspberry Pi Zero用に変換プラグを購入しました。USB Type-A用の端子が無いので、そのままだと外付けキーボードを差せないんですよね...
▼低めのボスを設けています。SDカードが平面だと取り出しにくかったので、凹ませてみました。
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▼蓋は壁面との摩擦だけで固定されています。隙間を0にすると積層痕がいい感じにかみ合うので、カチッと留まります。
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失敗集
今回使用したABSフィラメントは、特に温度の影響を受けやすいです。
▼フィラメントはいつもAmazonで購入しています。
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Pxmalion ABS 3Dプリンター用フィラメント素材 マテリアルABS樹脂材料 1.75mm径 正味量1KG(2.2LB) 精確度+/...
▼途中で剥がれたり沿ったりしたせいで失敗したときの写真。プレート側の面はきれいなのですが...
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▼別の部品ですが、途中で剥がれた例です。放っておくとノズルが宙をなぞり続けます。
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▼途中で宙をなぞるようになると、フィラメントがノズルに付着してしまいます。まだ量が少ないのでマシですが、大きな部品を出力して失敗すると大惨事になります...
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ラフトを設定する
温度を調整したり、1層目の速度を遅くしたりと、いろいろ試してみました。その中で、ラフトを設定すると安定して出力できました。
部品の下に土台が生成されます。土台部分は後で剥がすのですが、表面が荒くなってしまいました。
▼ラフトは5層と2層を試したのですが、厚い方が剥がしやすかったです。
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上の写真ではアイロンがけという、ノズルで表面を均してきれいにする設定を試してみました。しかし、3Dプリンターについて詳しい方に見てもらうと、うまくいっていないそうです。
ベルトのテンションを強めたほうがいいかもしれないと聞いたので、また試してみようと思います。自分で組み立てた3Dプリンターなので、確かに緩いかもしれません。
▼ラフトを剥がすとこんな感じ。使えなくはないのですが、きれいではないといった感じです。
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▼蓋側はラフトなしでもきれいに出力できることがありました。表面の仕上がりが全然違います。
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▼プラグはちゃんと差さりました。
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▼動作も確認できました。
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▼ファンも取り付けることができました。
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▼日頃お世話になっているOpen Creation Lab.さんにて、ヒートガンで表面をきれいにできるというのを教えてもらいました。ちょっと溶かす感じです。これなら表面をきれいにできるかもしれません。多少の反りも直せるそうです。
https://www.instagram.com/opencreationlab/?hl=ja
▼Open Creation Lab.さんでは写真の白い部品や黒い部品を3Dプリンターで作成されています。側面もきれいに出力されています。私の3Dプリンターも、もっときれいに出力できるはずです。
▼ちなみに、風が強いと冷えるのでシールドを設けるという設定もありました。室内なので必要ないかなとは思います。
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また、プリムも試したことがあるのですが、きれいに剝がれなかったです。反らずに出力することはできました。
▼ギアの出力を試していました。さすがにモジュール0.5だと若干無理があります。ノズル径を細いものに変えると改善するかもしれないというアドバイスを頂きました。
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最後に
ここまでABSフィラメントで試行錯誤していましたが、他のフィラメントならおそらく解決するんですよね...
温度が問題でなかなかうまくいかない方には、他のフィラメントをお勧めします。PLAが出力しやすいです。最近PETGもお勧めと聞きました。
さて、筐体ができたのでRaspberry Pi Zeroを使っていろいろ試したいなと思っています。サーバーの構築やPythonについて勉強中です。