ちょっと振り返り:いろいろ参加しました(MFK2024、大阪24時間AIハッカソン、IoTLTなど)
はじめに
今回は最近参加していたイベントについてです。以前書いたのは三月頃でしたが、その後もいろいろありました。
まだまだ忙しい日々が続きそうです。
▼これまでに参加したイベントはこちら
Maker Faire Kyoto 2024
今年もMaker Faire Kyotoに行ってきました!ご近所のOpen Creation Lab.さんのお手伝いで、出展もしておりました。
面白いブースがいろいろあり、全部書くとすごい量になりそうなので少しだけご紹介します。
Open Creation Lab.
▼こちらのブースで出展しておりました。
去年は私とご近所さんの二人で出展していたのでかなり忙しかったのですが、今年は五人で出展しておりました。
苔栽培の自動化キットを展示していたら知り合った盆栽の方、大阪のクリエイターさんの集まりやハッカソンで知り合った方々と一緒でした。
▼年齢も職業もばらばらな、クリエイター仲間のみなさんです。3Dプリンターの話とかですごく盛り上がります。

▼苔栽培、盆栽、3Dプリンターの作品、Node-RED MCUの作品などなど。盛り沢山でした。




▼こちらはNode-RED、Node-RED MCUで苔栽培を自動化しているものです。
▼盆栽の水やりも、Node-REDで管理されていました。
苔は葉や茎から、盆栽は根っこから水を吸うので、実は水やりの方法が違います。苔はミストモジュールで霧吹きのように水やり、盆栽はポンプモジュールで水を循環させていました。面白い違いですね。
▼本当に生きているヤモリとイモリも展示していました。3Dプリンターで作ったロボットとかではありません。
▼ヒョウモントカゲモドキだそうです。3Dスキャンもされていました。
▼タイルや苔を使ったカラフルな作品も!透明な植物の入れ物は、薄く作られています。
▼私は直前まで作っていたRumiCar-C3のSpresense搭載版を持って行きました。
ちなみにHDRカメラのレンズは、単に回せば焦点を調整できるみたいです。意外と知らなかったというか、知られていないらしいです。他のカメラモジュールも回せました。
てっきりスマートフォンのカメラみたいに、プログラミングで調整するものと思っていました。
▼RumiCarグループの方に発見されました。いろんな方と技術的な話ができて楽しかったです。
SonyのSpresense
Spresenseのブースで展示されていた、超高精度なマルチIMUボードが衝撃的でした。
加速度センサーを使ったことがある方なら伝わると思うのですが、センサーの値から角度や距離を計算しようとすると誤差がどんどん大きくなってしまいます。その問題を解消して、デモでは指定された範囲内を走行していました。
加速度センサー以外に、距離センサーや衝突を検知するセンサーは取り付けられていません。本当に加速度センサーだけです。
値段はまだ未定とのことでしたが、他のセンサーを取り付けてプログラムするといった手間を考えたら、多少高額でもこのセンサーだけ買った方が楽かもしれませんね。
▼分かる人にしか分からないであろう展示です。手で持ち上げたり、後ろに下げても、正確に動いていました。とんでもないセンサーですね。
▼加速度センサーで角度を計算するプログラムを試したことがあります。専門的な計算が必要なので、サンプルプログラムが無いと扱いが難しそうではありますね。
また、エナジーハーベストを利用した展示もありました。はじめて聞いた言葉だったのですが、電磁波を収穫する技術があるようですね。Spresenseのような低消費電力のマイコンなら動くようです。
▼展示ではモーターからの漏れ電磁波で動かしているようでした。
Keigan
Node-REDを使っている展示ということで、展示会が始まる前から目をつけていました。去年国際ロボット展に見に行ったときはNode-REDを使おうとしているとのことだったのですが、実際に動くものが展示されていました。
▼会場である、けいはんなオープンイノベーションセンタに入居されているようです。


▼実際に動いている動画がありました。PS4のコントローラーで操作できます。
モーターの制御はNode-REDで行われています!自社のノードも開発されているようでした。私もNode-REDのノードを開発している人間なので、非常に興味があります。応答速度とかも気になりますね。
▼Node-REDでの使い方に関するページがありました。
Node-REDで制御できるので、特に「作りやすさ」をアピールされていました。ユーザーのニーズに合わせた開発であれば、簡単に作ることができるのは実質的なコスト削減にも繋がりそうですね。
▼会社のホームページにも、「人に役立つロボットを、おどろくほど簡単に。」と書かれています。
PS4のコントローラとはPythonでBluetooth通信をしているとのことでした。私が開発したpython-venvノードでも、通信できるかもしれないですね。
▼台車の上に載っている部分は、展示会用に作られたとのことでした。私は本来機械系の学生なので、こういった設計も興味深かったです。機械系だからこそ、制御や回路にあまり時間をかけたくないんですよね。


▼こちらは古い動画のようですが、自社ノードが使われています。
出力だけでなく回転の状態も取得できるみたいですね。BLEでも操作できるようです。ここまで用意されていたら、便利に使えそうですね。
あきまろ@久留米工業高等専門学校
空気圧で論理回路を作るという、面白い取り組みをされていました。理論は分かるのですが、よくまとめたなぁということで感心しておりました。
▼きれいに整った作品でした。



▼私が撮影したときはちょっと失敗だったようですが、ちゃんと動いています。空気圧でゆっくり動いているのが良いですね。
▼ポンプで空気圧を溜めて、ピストンで制御されています。


高専の展示は技術的にレベルが高くて自由なものが多く、羨ましい限りです。大学に普通に通っているだけだと、こういったものづくりの機会は全然無いんですよね。
▼出展者ページを見ると、テオヤンセンやストランドビーストも作られているようです。
石像
千と千尋の神隠しに出てくる石像がポツンと置かれていました。発泡スチロールで作られているようです。
▼こういう遊び心満載の置物は大好きです。本物の苔を育てても面白そうですね。


サイボーグになれる眼鏡
去年試着させてもらっていた、ならなびさんのサイボーグになれる眼鏡を頂きました!ありがとうございます。デジもく会等でいつもお世話になっております。
▼こちらの作品です。
https://protopedia.net/prototype/4724
▼今後イベントのときに装備しているかもしれません。

▼ならなびさんは出展もされていました。福祉系のデバイスを開発されています。
写真のビーチボールの中には、ラジコンが入っています。これなら子どもたちが操作してどこかにぶつかっても安心です。素晴らしいアイデアだと思います。
大阪24時間AIハッカソン
知り合いの方からお誘いを頂きまして、大阪24時間AIハッカソンに参加しておりました。24時間でAIを使って何かを作るというイベントです。
私たちのチームは年齢も職業もばらばらで、バランスの良いチームでした。
▼チームパネル持参の、気合の入ったチームでした。私含め学生二人、社会人三人という構成です。
Node-REDとAIを活用しており、「将来の夢を実現するための具体的なプロセスを提案してくれるAIコンサルタント」を作成しました。「夢コンサルタント」という名前です。
▼性能の良いPCが提供されていたので、かなり重い処理も行っていました。

私はAI技術についてあまり詳しくないのですが、GoogleフォームのデータをNode-REDで取得するところを実装しました。
ChatGPTのようなAIを利用するときはプロンプトで入力することが多いと思いますが、Googleフォームなのでアンケート形式で回答しやすいです。その点は審査員の方からもポイントが高かったです。PCやスマートフォンなど、異なるデバイスでの入力にも勝手に対応してくれるのがありがたいですね。
▼Googleフォームからの入力については、こちらにまとめました。
アンケート内容をもとに、Node-REDで質問内容を作成し、AIに渡しています。画像生成のStable Diffusionには、GPT-4で生成したテキストを渡すようになっています。
自分の学歴や年齢、なりたい夢を入力し、AIが具体的にどのようにすればいいかを答えてくれます。
▼例えばロボット開発者だと、具体的にインターンへの参加とか、大学院への進学などを提案してくれています。画像も出てくるのですが、なぜか体の一部がロボットになっています...

他にも出力されていたのですが、画像はなんだかツッコミどころがありました。
▼変なところから火花が散る鍛冶師...

▼なぜか生徒側の席にいる教師...

▼ポケモントレーナーだと現実的な回答が返ってきます。

ハッカソンの結果は優勝でした!チームの皆さんに感謝いたします。
▼11月にあるAIフェスティバルに参加する予定です。
▼もう一人の学生参加者の方がnoteに書かれていました!
▼個人的なツボです。ずっと後ろに佇んでおられました。
執筆
新しいNode-RED MCU本の補足書が発売されました。
私は今回、Node-RED MCU用のノードの開発について書かせていただきました。便利なノードを開発してくれる方が増えると嬉しいです。
▼BOOTHで販売されています。
https://norahack-led.booth.pm/items/5721173
ビジュアルプログラミングIoTLT
ビジュアルプログラミングIoTLTにて発表しました。Node-RED MCUの執筆者メンバーの方からお誘いを頂きました。いつもお世話になっております。
▼こちらのイベントです
https://iotlt.connpass.com/event/316732
「Node-RED MCUの活用事例とノードの開発」ということで発表しました。
▼発表資料はこちら
▼アーカイブはこちら
Scratchのようなブロックプログラミングは全然触っていないのですが、共同編集やマイコンへのプログラミング等、いろいろできるんですね。新しい知見でした。
新しいNode-REDのノードを公開しました!
ビジュアルプログラミングIoTLTでも少し紹介したのですが、新しいNode-REDのノードを公開しました。OpenAIのWhisperを扱える、whisperノードです。
詳細はまた後日記事にまとめようと思っています。
▼フローライブラリでのページはこちら
https://flows.nodered.org/node/@background404/node-red-contrib-whisper
▼こんな感じで使えます。

ダッシュボードのmicrophoneノードで録音するとスロー音声みたいになっていたので、execノードでPythonのプログラムを呼び出して録音しています。それもノード化した方が良いかもしれません。
▼編集ダイアログでは、言語やモデルを設定できます。

大きいモデルだと時間がかかります。私のノートパソコンだと処理が重いです。小さい音声ファイルで小さなモデルでも、数秒はかかります。
ノードの仕組みは、python-venvノードを作ったときのものをベースにしています。ノードをインストールしたときにPythonの仮想環境を作成し、Whisperの環境を構築するようになっています。
▼python-venvについてはこちらに書いています。
最後に
今年に入ってから、月に一回どこかで発表している気がします。ご縁があるのは非常にありがたいことです。
あまり新しいことに取り組む時間が取れていないのですが、時間が出来たら進めようと思っています。やりたいことがいっぱいです。
さて、当分の間は大学院入試の勉強に専念します...