ここでは電子工作に特に必要なものについて紹介しています。初心者の方にも使いやすい、安全なものを選んでいます。

電子部品を購入する

 電子部品を店舗で売っている店は、今や少なくなっています。ほしい部品を手に入れるには、ネットで買うのが一番確実だと思います。機会があれば店舗に足を運んでみてください。新しい発見があります。私は大阪の日本橋にあるお店にたまに行くことがありますが、見知らぬ部品がたくさんあって面白いです。部品を知るきっかけになります。

 私がネット購入するときに利用しているお店を紹介します。

  • 秋月電子通商:電子部品を買うならまずはここ。電子部品単体での取り扱いが非常に豊富です。一番よく利用しています。
  • スイッチサイエンス:秋月電子に無いときはこちらで調べています。電子部品単体ではなくて、使いやすくした基板などの製品が多いです。Spark FunやAdafruitという会社の製品をよく買っています。
  • Amazon:電子部品はそんなに種類がないですが、ピンソケットやコネクタ、スペーサーなどを詰め合わせで販売しているものが便利です。品質が悪いものもしばしば。

スターターキットを使う

 「電子工作 スターターキット」で調べると色々出てきますが、電子部品を詰め合わせたものです。電子工作初心者の方には強くお勧めします。とりあえず一つあれば、必要なものが大体揃います。私はArduinoのスターターキットを使っています。

 初心者の方が1から10まで部品を集めるのは大変です。スターターキットには、よく使う抵抗やコンデンサー、使いやすいモジュールが入っています。私が買ったものはチュートリアルがついていて、回路やプログラムの例が豊富でした。

 ブレットボードというものが入っているのですが、これを使うと電子部品と配線を抜き差しするだけで、簡単に回路を組むことができます。はんだ付けは不要です。これがあれば電子工作に踏み込みやすくなるのではないでしょうか。

▼ブレットボードを使って回路を組んだ様子

 

 たくさん入っていて安いのはいいのですが、品質の悪いものが混じっているのには注意してください。とはいえ電子部品は単価が安いものが多いので、買い足せばいいと思います。

▼いろいろあります。

マイコンで制御する

 マイコンは各種センサーやモジュールを制御する司令塔です。マイコンにプログラムを書き込むことで、思い通りに機器を制御することができるようになります。Raspberry Piやmbedなどいろいろありますが、初心者の方にはArduinoを使うことをおすすめします。

 Arduinoにもいろんな種類がありますが、使うならArduino UnoArduino Nanoをおすすめします。Arduino Unoは本やネットでの利用例が非常に多いです。初心者の方はまず真似をしてみて学ぶのが一番いいと思います。Arduino NanoはUnoを小型化したようなものです。一歩進んで基板に取り付けたいのであれば、こちらをおすすめします。

▼Nanoはブレットボードに挿すと、取り外しにくくなります。無理やり手で取るとピンが曲がりかねないので、抜くための工具の使用をおすすめします。写真は少し幅の広いものですが、IC抜きで十分です。

 Arduino Nanoの後継機にArduino Nano everyというものがあって、買ってみたのですがNanoのほうが使い勝手がいいです。まずブレットボードに挿したときに、Nanoはピンの表示が見えますが、Nano everyは裏面に書いているので見えません。また、Nano everyはなぜかPWM用の端子が一つ少ないです。性能的にもNanoで十分です。

 Amazonで互換品が売っていて、本家よりもかなり安いのですが、ピンをはんだ付けする必要があったりします。でも本当に安いです。

▼私が持っているArduinoたち

 

▼こちらが正規品。ちなみにArduino Unoは正規品だと上の写真のように下に敷くものがついてきます。

▼こちらが互換品。かなり安いです。

 私は他にSony製のSpresenseというマイコンを使っています。Arduinoとの互換性があって、同じようにプログラムできます。マイコンにしては高額で、より高度なことをしたいならおすすめです。特にカメラは使いやすいです。マイコンなのにGNSS機能があって、GPSを使って座標を測位することができます。

 Spresenseはまだ新しいマイコンで、情報が少ないです。やっと書籍が出版されたのですが、私はすぐに買いました。SonyのNNC(ニューラルネットワークコンソール)を使った機械学習なども紹介されています。

▼Spresenseを使った機体と、カメラを使っているところ

 

▼Spresense関連の商品。私は店舗で買いましたが、Amazonで売っているんですね…

電源を供給する

 電子工作で使いやすいのは、やはり電池です。モーターやスピーカーのように大きな電流が必要なときはeneloopをよく使っています。単4電池よりも単3電池のほうが容量が大きいです。

 充電ができるので経済的ですし、比較的安全に使えます。完全に安全とは言えませんが。緊急時用としても買っておいて損はないです。

▼いつも使っているeneloop。なぜかAmazon限定で色違いがあります。

▼私が使っている充電器はAmazonに無かったです。電気屋さんなら売っていると思います。黒いのはハイエンドモデルで、容量が多いです。名前がかっこいい。

 マイコンへの電力供給には、USB経由で供給することもできるのですが、角型電池を使って供給することもできます。Arduinoだと、Vin端子に外部電源を繋いで動作させることができるのですが、そのときの電圧が7~12Vです。角型電池は9Vなのでちょうどいい感じに使えます。容量が少ないので、電力消費が大きいものには向きませんが、マイコンは電力消費が少ないので大丈夫です。

 角型電池も充電式のものがあります。私は前に所属していた団体で使っていたものと同じものを使っています。火災の原因になるので、ショートには十分注意してください。その団体では管理に気を付けるようにしっかり注意されました。例えば電極を金属の板なんかに置くと、導通してしまいます。

▼いつも使っている角型電池。絶対にショートさせたくないので、袋に入れている。

 電池を使うので、電池ボックスも必要です。種類が豊富ですが、私はバッテリースナップを使って取り外しのしやすいものを使っています。バッテリースナップは配線が縦についているものと、横についているものがあります。電池ボックスにつける都合上、横についているもののほうが使いやすいです

▼バッテリースナップをつけたところ。縦についているものは、底面と接触してしまいます。

▼いつも使っている電池ボックス。取り外しが楽ですが、その分衝撃で外れることがあるので注意。

▼蓋を閉じることができるものもあります。衝撃で外れてほしくないときはおすすめです。

▼ケーブルがそのままだと使いにくいので、XHコネクタで使いやすくしています。コネクタについては別の記事で紹介する予定です。

 スマートフォン用の充電器も、マイコンに電力を供給できます。Spresenseの電力供給に使っています。プログラムを書き込むときのように、USB経由で電力を供給できます。

 大容量で大電流を流せるものを選びましたが、特にこだわりはありません。一応マイコン用にはオートパワーオフ機能があると使えないとかいう話を聞いたことがありますが、使えたのでOKでしょう。結構でかいので、もっとコンパクトなもののほうが良かったかもしれません。

▼Spresenseに給電しているところ。内部のLEDが点灯しています。

 あとはリポバッテリーも選択肢としてありますが、取り扱いには十分注意してください。初心者にはおすすめできないというか、私自身あまりよく分かっていません。部活では、"CAUTION"と書かれた耐火性のある袋の中に入れられていました。特殊な用途でなければ電池を使うことをおすすめします。

テスターを使う

 私はテスターを使いこなせていないので、どれがいいとは言えないのですが、使いやすかったものを買って使っています。

 主に抵抗の値を測る、電圧を測る、導通をチェックするときに使っています。抵抗の値はカラー表示から読み取れますが、テスターで測ったほうが早くて確実です。導通チェックははんだ付けが終わったときにいつも行っています。特に電源周りですが、テスターでチェックしておかないと、配線が短絡していたら危険です。入念にチェックしています。

▼いつも使っているテスター。コンパクトで持ち運びやすい。