Unreal Engine 5を使ってみる その2(Git/GitHub)

はじめに

 今回はGit/GitHubを利用して、Unreal Engine 5(UE5)の履歴管理を試してみました。普段からプログラムだけでなくCADのデータも、リポジトリに保存することがあります。

 保存するときに少し手順が増えるぐらいで、簡単に使うことができました。

 なお、今回はWindows環境のPC2台を使用しています。

▼以前の記事はこちら

Unreal Engine 5を使ってみる その1(Datasmith、DUALSHOCK 4)

はじめに  ロボットのシミュレーションをしようということで、Unreal Engine 5を触ることになりました。これまでハードウェアとソフトウェアの両面でロボットの製作をし…

必要なソフトウェアのインストール

 Gitによるバージョン管理だと、コマンドでの実行というイメージがあるかもしれません。私はGUIで利用できるGitHub Desktopをお勧めしています。コマンドでの操作に慣れていない方でも使いやすく、視覚的にも分かりやすいかと思います。

▼Gitのダウンロードはこちら

https://gitforwindows.org

▼GitHub Desktopのダウンロードはこちら

https://desktop.github.com

▼チームで開発するときにまとめたものがあるので、ご興味があればこちらをご覧ください。

Git/GitHub関連

ここではGit/GitHub関連の情報を集めています。 関連記事ngrokを使ってみる(OAuth、GitHub、Node-RED) 2024年5月19日 GitHubでArduino IDEのプログラムをバー [&he…

▼簡単に言うと、ローカルに保存されたパソコンのデータを、リモートのリポジトリに保存するという感じです。誰がいつ、どこを修正したのかなどの履歴が残ります。

GitHubの準備

 GitHubのアカウントを作成しておいてください。

▼GitHubのページはこちら

https://github.com

 保存先である、リポジトリも作成しておきます。

▼こちらからリポジトリを作成できます。

https://github.com/new

▼私はPrivateのリポジトリとして作成しました。

▼GitHub DesktopでリポジトリをCloneしておきます。

▼RepositoryのShow in Explorerで、保存先のフォルダを開くことができます。

UE5でプロジェクトの作成

 今回はトップダウンのプロジェクトを作成してみました。このときプロジェクトの保存場所を、GitHubからCloneしてきたリポジトリのフォルダにします

▼作成する前に、プロジェクトのフォルダを確認してください。

▼プロジェクトを開くとこんな感じ。

 この時点でGitHub Desktopを開くと、フォルダに追加されたものが表示されているかと思います。

▼ファイルが大量に追加されています。

 Summaryに概要を書いてCommitすると、Pushできるようになります。

▼GitHub Desktopの左下にあります。

 Pushすると、リモートにも変更が反映されます。

▼Push originを選択します。

ファイルのサイズが大きい場合

 ファイルのサイズが大きすぎると、Commit時にエラーが出るかもしれません。その場合はGit LFS(Large File Storage)を利用します。

▼Git LFSのダウンロードはこちらから

https://git-lfs.com

 GitHub Desktopでも利用できました。

▼こちらの記事を参考に設定すると、問題なくCommitできました。

https://qiita.com/pvicugna11/items/f84cb2527989a3a4c63a

 容量の制限があるようなので、ご注意ください。

▼容量に関する情報がありました。

GitHub DesktopでLFSを使う(利用制限について追記11/23) - tanaka's Programming Memo

LFSとは、Large File Storage(大きいファイルの保存領域)のことです。 Gitはソースコードのバージョン管理を目的としていたシステムです。画像や音声データなどのバイナリ…

https://mseeeen.msen.jp/how-to-increase-git-lfs-data-capacity

▼こちらから確認できます。

https://github.com/settings/billing/summary

 私の場合、今のところ1GB中0.15GB使用しているようでした。

別のPCと共有してみる

 GitHub上のリポジトリを通じて、別のPCとデータを共有してみました。GitHub Desktopなどはインストール済みです。

 Unreal Engineのバージョンが違うと開けないことがあるので、ご注意ください。

▼Epic GamesのLauncherで、Unreal Engineの別バージョンをインストールできます。私は5.1.1で合わせておきました。

 GitHubからCloneしてきたフォルダ内にある、uprojectファイルを選択します。

▼プロジェクトを開くときに、一番下にあるブラウズを選択し、ファイルを探します。

▼ちゃんと開くことができました!オブジェクトを追加してみました。

 さらにCommitして、その変更を元々使っていたPCに反映させてみます。

▼オブジェクトを追加してCommitし、pushしました。

▼ちゃんと反映されました!

▼開くだけでも、logファイルなどが生成されるようですね。不要であれば、.gitignoreに追記するとCommit時に含まれなくなります。

Diff ツールを使ってみる

 Unreal Engineのブループリントには、Gitのように差分を確認する機能がありました。

▼Unreal Diffツールに関するページはこちら

https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/unreal-engine/ue-diff-tool-in-unreal-engine

▼こちらの記事も参考になりました。

https://qiita.com/EGJ-Kaz_Okada/items/5be2df3c7fff8c394193

 デフォルトでは差分を監視する対象になっていないので、設定する必要があります。

▼ブループリントの差分を監視したいオブジェクトを右クリックし、「ソースコントロールに接続」を選択します。

▼今回はGitで管理します。

▼ブループリントの差分を選択すると、リビジョンが表示されます。

▼どこが変更されたのかが、視覚的に分かりやすく表示されています。リンクを取り除いた箇所が表示されていますね。

最後に

 UE5の履歴もGit/GitHubで管理できたので、本格的に開発を進めていこうと思います。

 Git LFSもGitHub Desktopで利用できるのは初めて知りました。容量の制限はありますが、便利に使えそうです。

 以前Git BashでCommitなどの操作をしていたときは、コマンドに慣れるまでが大変でした。GitHub Desktopにしてからはブランチの切り替えも簡単で、Commit時に追加するものを選ぶのも簡単になったので、非常にお勧めです。

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