3Dプリンターで機構の設計 その1
はじめに
今年のTechSeeker Hackathon 2025にて、3Dプリンターで出力した機構部品を用いて製作しました。それよりも以前に小さい部品で試したことがあったので、今回はそのまとめです。
小さくて薄いタイルのようなものを掴むために、ジョイントやリンクの作成を試していました。
▼以前の記事はこちら
設計してみる
アクチュエータで直動させて、4つのツメが閉じることで物体を掴めないか考えていました。
▼リンクを引くと、軸でツメが回転するイメージです。

イメージのまま設計してみました。
▼以下のような形になりました。

ツメの回転部分はネジをジョイントとして使えるようにしています。上側にもある直径が小さいジョイントとリンクは、3Dプリンター部品で作ります。
▼断面図はこんな感じ。八角形の部分を固定して中央の円柱を物体に押し付けると、ツメが掴むように動きます。

かなり強度に不安があったのですが、実際に作ってみました。
実際に作ってみる
▼3DプリンターはPrusa MK4を使っています。
CADデータから出力してみました。
▼ツメと、ツメに繋がっているリンクは、繋がった状態のモデルで出力しました。プレートから剥がして回していると、回転しました。

そのまま縮尺を大きくして出力することもできました。小さい方はM3、大きい方はM4のネジをジョイントにしています。
▼組み立てるとこんな感じ。

動きを確認してみました。
▼ちゃんと閉じたり開いたりしています。
大きい方でフィギュアを掴んでみました。
▼ツメの形状が適していないので落下していますが、掴めそうな感じでした。
▼すぐに壊れるかなと思っていたのですが、意外と壊れずに動いていました。


ツメとリンクを一体で出力しましたが、リンクとジョイントを嵌め合わせて作るものも試作していました。
▼こんな感じの構造です。

この構造なら小型のまま組み立てられるのですが、やはり強度は低いので外そうとすると折れたりしていました。小さい機構で組み立てられるようにするならネジを使うのが良さそうでした。
▼その後設計した自動運転車のステアリング機構ではネジを用いました。
最後に
TechSeeker Hackathon 2025でも4つの花びらのような部品を動かす機構を3Dプリンターで作ったので、この時の経験を活かせたかと思います。また別の記事で紹介しようと思います。
▼こんな感じのものを製作しました。